α-リポ酸とシクロデキストリンの相乗効果 その2

α-リポ酸を増やすにはどうすればよいか?
今回は「α-リポ酸」についての効果、注意事項についてご説明させて頂きます。α-リポ酸は食事にも含まれていますし、私たちの体内でも作ることができる物質です。
しかしながら、加齢とともに体内で作る力が低下してくることが報告されています。食材としてはレバーやほうれん草、人参などに含まれていますが、食事のみで有効な効果を得るには、非現実的な量を摂取しなければなりません。
有効な摂取方法
・α-リポ酸を補うにはサプリメントの活用が有効であると考えます。
・α-リポ酸は高用量の摂取を行っても深刻な副作用はほとんど確認されていないとされております。
・妊婦に投与しても、母体や新生児に有害事象は報告されなかったとされています。
期待される効果
1.糖尿病予防
酸化された糖とたんぱく質が結合し、異常な糖化たんぱく質が増えることで発症することが分かっています。α-リポ酸には筋肉や細胞内への糖の取り込みを促進する作用が認められています。糖尿病の発症自体が活性酸素種(ROS)の過剰な産生と抗酸化力の障害によって生じることが分かっており、ROSによる活性酸素からの保護からも、糖尿病の予防が期待できる。
2.抗がん作用
酸化ストレスによって細胞、DNAが損傷を受けると、その細胞はやがてがん化すると言われております。α-リポ酸にはがんに対抗する働きもあります。α-リポ酸は、がんの発生と促進の両方の段階を阻害します。細胞レベルでは、がん細胞のみに選択的に細胞毒性を発揮してアポトーシス(古い細胞の消滅を増加)させたり、細胞分裂の停止や腫瘍細胞の成長を阻害する物質であることが報告されています。
具体的には乳がん、卵巣がん、結腸直腸がん、肺がん、白血病などの細胞の生存率と増殖を低下させ、甲状腺がんの細胞では転移に必要な移動などの段階を阻害します。
3.認知症対策
高齢者に多い脳の病気でも、酸化したたんぱく質などが蓄積していることが一因と言われております。
脳内にアミロイドベータやタウと呼ばれるタンパク質が蓄積することで脳細胞を障害して発症すると考えられていますが、α-リポ酸には、アミロイドベータや活性酸素から脳神経を保護する効果が報告されています。
4.血管の老朽化修復
動脈硬化は酸化された脂質が蓄積し、血管の内腔が狭くなり、血液が流れにくくなっている状態で発生すると言われております。
また、血管の内側は内皮と呼ばれる細胞で覆われています。血管の老化が起こると、内皮機能が低下し、血管を拡張させる物質であり一酸化窒素(NO)の産生や作用が低下します。α-リポ酸は内皮の一酸化窒素合成酵素(eNOS)に作用することでNOの生成を増やし、血管の拡張を促して血流の改善をもたらします。
また、血管の老化には炎症や活性酸素も関与するため、α-リポ酸の抗炎症、活性酸素除去作用も血管のアンチエイジングに重要な役割を果たしてくれます。
5.花粉症対策
強力な抗酸化作用を持つα-リポ酸は、花粉症に効果を示します。α-リポ酸による花粉症に有効な理由は以下の通りです。
1). 花粉症の症状の最終的な原因は、血中に放出されたヒスタミンによって起こされるものであり、ビタミンCはこのヒスタミンの血中放出を防ぐといわれている。
2). アレルギー症状が出る時には、同時に体内で活性酸素が過剰発生するといわれ、この活性酸素は正常な皮膚・粘膜を損傷し、花粉症等のアレルギー反応を増悪するが、抗酸化作用によって活性酸素による皮膚・粘膜の損傷を防ぐ。
3). コラーゲン合成を促進し、皮膚や粘膜のバリア機能を高め、粘膜刺激を抑える。
α-リポ酸の服用についての注意事項
以下α-リポ酸についての服用時の主な注意事項です。服用にあたっては厳密な医学的監督の元、考慮すべき点が数多ありますので、知識を有している専門家の知見が必要不可欠となります。主な参考事例も含めご案内させて頂きます。
1). α-リポ酸は、レバーやほうれん草、にんじんなどに含まれていますが、食事のみから十分な量を補うことは、残念ながら現実的に不可能です。例えば100mgのα-リポ酸を補うには、ほうれん草を350kgも食べなければいけません。サプリメントとして、1日当たり200mg~600mg量を表記している製品が多いが、医薬部外品としては50mg程度が成分量となります。
2).α-リポ酸は、体内で急速に細胞から取り除かれる為、持続性が無い為、常に補給が必要。食事と一緒にα-リポ酸を摂取するとその生物学的利用性が下がってしまう。
従ってα-リポ酸は一般的に食事30分前に摂取するよう推奨される。
3). 妊娠と授乳
妊娠10~30週から37週の終わりの期間中に中断なく600 mgのリポ酸(ラセミ混合物)を毎日経口補給しても、母親やその新生児に何の有害作用もなかったことが報告されたが、さらなるエビデンスがないため、妊娠中のα-リポ酸補給は厳密な医学的監督の元で考慮されるべきである。
授乳中の女性へのリポ酸補給の安全性は確立されておらずしたがって思いとどまるべきである。
4).子供
生後20ヶ月の乳児(体重10.5 kg)が誤って600 mgのリポ酸錠剤を4つ飲み込んでしまった後で、中毒症になった症例が報告された。その乳児は痙攣、アシドーシス(酸性血症)、および意識不明で入院した。症状管理と急速なリポ酸除去で、5日間で後遺症なく完全に回復できた。ある思春期の少女は非常に高用量のリポ酸を非偶発的に摂取したことで多臓器不全になり、その後死亡した。
当社取り扱いのα-リポ酸について
α-リポ酸は、大気中での安定性に問題があり、製品として安定化が求められます。その課題に対し、当社が推奨して取り扱う α-リポ酸は、ガンマ(γ)シクロデキストリンによって包接加工をし、体内での脂質・水性のどちらでも機能を発揮し、体内への吸収性、熱、空気、光に対し安定化させ耐熱、耐紫外線、耐水となりポリマー化を阻止しております。また、合成α-リポ酸は、R体とS体の分子構造が存在するラセミ体となるが、本来、体内での生成されるα-リポ酸は、R体だけとなります。当社が推奨し取り扱う α-リポ酸はR体100%品です。(S体は、活性に違った作用を起こしかねない。)
商品企画開発
当社ではα-リポ酸とα-シクロデキストリンとを組み合わせた相乗効果について注力しております。お客様のご要望をヒヤリングさせて頂きご案内をさせて頂きます。お問合せはこちらから
関連する記事
シクロデキストリンについて詳しくはこちらから
【7月掲載】α-リポ酸とシクロデキストリンの相乗効果 その1(抗酸化防御と酸化ストレスの原因)
詳しくはこちらから
【9月掲載予定】α-リポ酸とシクロデキストリンの相乗効果 その3(シクロデキストリンの役割と効果)