シクロデキストリン/環状オリゴ糖の性質
シクロデキストリンとは?
トウモロコシのデンプンから、合成酵素によって、グルコース(ブドウ糖)を環状型につながったものが、天然型シクロデキストリンです。ブドウ糖は、体のエネルギー源として非常に重要な栄養素で、特に脳はブドウ糖が唯一のエネルギー源で、1日に約150gのブドウ糖を使って、脳は活動しています。そのブドウ糖が環状構造になったシクロデキストリンには、工業的にも重要な特性があることをご存じでしょうか。
シクロデキストリンの用途展開
シクロデキストリンは幅広く用途があり様々な業種で採用実績があります。以下の3つが主だった用途展開ですがその裾野は広く研究開発材料として現在様々な業種、用途で検討されております。
主な3つの用途 「包接」、「乳化」、「腸内フローラ」について
■包接 シクロデキストリンの分子構造は、バケツの底を取った中空構造になっており直径が0.7~1ナノメートルと分子サイズです。このバケツの内面、疎水性となり疎水性物質を抱きかかえます。この性質を利用しにおい成分を包接し臭わない様に作用させます。例えば口臭対策として、ニンニク臭、アンモニア臭など、また揮発性のヨウ素トルエンなどの包接や、香料なども経時的ににおいが飛んでしまわない様に包接することで、味を長持ちさせることが可能です。
■乳化 α-シクロデキストリンは、油脂と水の分離した溶液に数パーセント添加することで、ピッカリング/乳化させることが可能で、乳化剤として利用できます。特に、飽和脂肪酸(ヤシ油、パーム油などに多く含有)とは脂肪酸部を包接することで、界面活性剤と同じ構造になり、乳化させ天然乳化剤として食品添加が可能です。
■腸内フローラ α-シクロデキストリンは、環状オリゴ糖と言われオリゴ糖の分類になります。分子構造上、体内に摂取した場合でも小腸では消化されず、そのまま大腸に進み、大腸内で善玉菌であるビフィズス菌の餌とし消費されます。このビフィズス菌は、大腸内で重要な働きをし、大腸内のお花畑と言われる「腸内フローラ」をバランスの良い細菌(善玉・悪玉・日和見菌)で埋め尽くします。
その効果は次の通りです。
1. 消化できない食べ物を身体に良い物質へ作り変える。
2. 腸内の免疫細胞を活性化し、免疫力を付け、病原微生物(ウイルスや菌など)から身体を守る(腸のバリア機能向上)
3. 腸内フローラのバランスを保ち、健康を維持する。
商品企画開発のご案内
シクロデキストリンは毛一本のサイズの100万分の1、直径が0.7~1ナノメートルとナノサイズの分子と遺伝子DNAレベルです。電子材料、樹脂改質、分散など新しい用途展開の可能性を秘めた材料です。
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当社はシクロデキストリンの可能性を追求するべく専門スタッフが様々な分野で製品の提案をさせて頂きます。個別提案書をご用意しておりますので以下フォームよりお気軽にお問い合せください。
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